競売せり)” の例文
問屋の帳場が揚荷の帳付ちょうつけ。小買人が駆廻る、仲買が声をらす。一方では競売せりが始まっていると思うと、こちらでは荷主と問屋が手をめる。雑然、紛然、見る眼を驚かす殷賑いんしん
「二つ寄せて三十貫! はっはっはっ、まるで競売せりだ。どうだ、松さん、買うか。」
軒より高い競売せりもある。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)