“竣(おわ)” の例文
これは二階の一室(いっしつ)を繞(めぐら)すに四目格子(よつめごうし)を以てしたもので、地震の日には工事既に竣(おわ)って、その中はなお空虚であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
五十四帖の功を竣(おわ)ったのは、文明十七年の閏三月で、これをばよほど大切にしたものと見え、延徳二年の十月には、わざわざ大工を喚(よ)んでこれを納るべき櫃を造らしめた。
孔生は女の美しい姿が自分にぴったりと倚りそうているのがうれしくて、治療の痛みもおぼえないばかりでなく、その治療が速やかに竣(おわ)って少女が傍にいなくなるのを恐れていた。
嬌娜 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)