空風からっかぜ)” の例文
十一時近かったけれども、空風からっかぜに裾をくられながら、せわしそうに歩き廻っている人で群れていた。
罠に掛った人 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
もはや午後の日差しがうっすら淋しく大道にかげり、空風からっかぜがあちらこちらに埃を吹き上げている。
天馬 (新字新仮名) / 金史良(著)
時々砂をまじえた空風からっかぜが、二人の外套がいとうひるがえして通り過ぎた。