秀三しうさん)” の例文
猫を葬つた壬寅の歳には神田松坂町の流行医塩田秀三しうさんの養子になつて、子良三りやうさんをもまうけてゐた。年は既に三十六歳、榛軒よりわかきこと三歳であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
塩田しんは既に屡此伝記に出でた人物である。祖父は小林玄端げんたん、父は玄瑞げんずゐであつた。玄瑞は出羽国山形より江戸に来て蘭門に入り、塩田秀三しうさんの家を継ぎ、楊庵と改称した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)