禍因かいん)” の例文
同時に、劉備の死後、その大義名分を、先帝の遺業として承け継いできた孔明にも、禍因かいんはそのまま及んでいたわけである。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無論どの自動車にも衝突のポシビリティーはありますが、しかし始めから禍因かいんが歴然と存在している場合とは違いますからな。次にはこういうことも私には云われます。
途上 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その、間違いをひき起した、そもそもの禍因かいんを、今深くかえりみてみると、まったく、お綱の指である。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、かれはなおも毅然として、剣山の制度は、家中に無用な迷信心理をつくる禍因かいんだと論じた。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)