石鹸玉シャボンだま)” の例文
暫らくしたら多年の抱懐や計画や野心や宿望がすべ石鹸玉シャボンだまの泡のように消えてしまって索然とするだろう。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
フッフッ、カタカタカタと毛を吹くばかりの呼吸いきづかいに連れて、五つ七つたちどころに、パッパッと石鹸玉シャボンだまが消えるように、上手にでんぐり、くるりと落ちる。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そんな石鹸玉シャボンだまみたいなもので、あの海底の密室が、開かれると云うのならやって見給え。では、兇器をどこから捜し出すね。それに、あのへやから姿を消したお化けは、いったい誰なんだ。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)