矯風きょうふう)” の例文
一方に矯風きょうふうと慈善の事業が説きすすめられ、孤児と白痴の教育や救済が叫ばれているかと思えば、一方にはまた眼前の事象に相関しないような高踏的な文字が並べられている。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
両人ふたりの話している所を聞けば、何か、談話はなしの筋の外に、男女交際、婦人矯風きょうふうの議論よりは、はるかまさりて面白い所が有ッて、それを眼顔めかおで話合ッてたのしんでいるらしいが、お勢にはさっぱり解らん。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)