瞬間とき)” の例文
そしていきなり次の瞬間ときには家の脾腹に打ち砕けて、駄夫諸共に揺すぶりながら裏手一帯の竹藪に舞ひ狂ふのがきこえてゐた。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
ところで一方葉末さんとしては、満二十歳になった瞬間とき、ぜひ誰かと結婚しなければならない。もしその時結婚すれば、財産は葉末さんと琢磨氏とで、折半をして取ることが出来る。
怪しの館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今この瞬間ときでなくいつの日にたのしみ得よう?
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
縄を結んで丸太つたう瞬間とき
サガレンの浮浪者 (新字新仮名) / 広海大治(著)
寂漠の瞬間とき
初夏(一九二二年) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
二つの瞬間ときに二つの段階を、僕は明らかに感じ分けることが出来た、もうやがて破裂が近い……それはもう僕にとつては概念でない、今明確な感覚に耳を澄ませば、たゆみなく震幅を増す跫音あしおと
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
酒をのむにまさるたのしい瞬間ときがあろうか?
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)