ミハ)” の例文
さうした無聊な目をミハらせる物は、忘れた時分にひよつくりと、波と空との間から生れて来る——誇張なしに——鳥と紛れさうなり舟の姿である。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
山颪ヤマオロシに吹きサラされて、荒草深い山裾ヤマスソの斜面に、万法蔵院マンホフザウヰンの細々とした御灯ミアカシの、アフられて居たのに目馴れた人たちは、この幸福な転変テンペンに、目をミハつて居るだらう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)