真向まむか)” の例文
旧字:眞向
日比野の家は、この町内で子供達が遊び場所にしてゐる井戸の外柵の真向まむかひで、井戸より五六軒へだたつたお涌の家からはざつと筋向うといへる位置にあつた。
蝙蝠 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
その真向まむかいの家はさすが欧州人の家だけあって寝室、書室、接客室などもあってなかなか立派な家で、多くの下僕しもべがあちこちと忙しそうに働いて居りました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
九段の長谷川はせがわ写真館の真向まむかいを東へ下りる坂の下り口の北側が今では空地あきちとなってるが、この空地をはずれて二、三軒目にツイ二十年前まであった小さな瀬戸物屋が馬琴の娘の婿の家で