癩病かったい)” の例文
「可いじゃないか。支那人や癩病かったいと違って君だと清浄きれいに素姓が分っているから。……まあ構わないさ!」
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
まさかに気があろうなどとは、怪我にも思うのじゃございますまいが、串戯じょうだんをいわれるばかりでも、癩病かったい呼吸いき吹懸ふっかけられますように、あのも弱り切っておりましたそうですが。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
癩病かったい医者だと人はいうが、漢方医のある、その隣家となりの荒物屋で駄菓子、油、蚊遣香かやりこうまでも商っている婆さんが来て、瓦鉢かわらばちの欠けた中へ、杉の枯葉を突込つっこんでいぶしながら、庭先にかがんでいるが
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)