癆痎ろうがい)” の例文
京大阪の良いお医者というお医者を尋ね求め、また別に人をお遣わしなされて日本中にありとあらゆる癆痎ろうがいのお薬をお求めになりました。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
癆痎ろうがいという怖るべき不治の業病が潜んでいるということは、今——たッた今ここで初めて、御隠家自身の口からぶっつけに話されたのですから
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年は四十五歳、三年まえに癆痎ろうがいで倒れたが、家付きの妻おそのは病気に感染するのをおそれて、看病は娘のおしのに任せ、自分は寮のほうへ移った。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
これは、長崎のくるわで、京からおさない時かどわかされた娘に、癆痎ろうがいの死際に逢って、応挙があわれな面影を、ただそのままに写生したと言う伝説の添った絵なのである。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おまけに癆痎ろうがいで寝こんじまったというし、おそのさんにとっては毒薬のようなものだったんですよ
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「えっ、癆痎ろうがい? ……」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
店のために骨身を惜しまず働きとおした、そのあげく病気になり、血を吐いて倒れてしまった、長いあいだ心と躯の苦労が積もり積もって、いつか癆痎ろうがいにかかっていたんです
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
癆痎ろうがいよ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)