疑心うたがひ)” の例文
其人がわざ/\やつて来るとは——丑松は客を自分の部屋へ通さない前から、疑心うたがひ恐怖おそれとでふるへたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
講師の中に賤民の子がある。是噂が全校へひろがつた時は、一同驚愕おどろき疑心うたがひとで動揺した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それとも、また、自分の心の迷ひであらうか。といろ/\に想像して見て、しまひには恐怖おそれ疑心うたがひとで夢中になつて、『阿爺おとつさん、阿爺さん。』と自分の方から目的あてどもなく呼び返した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)