男児むすこ)” の例文
旧字:男兒
関翁が大声で、「婆サン如何どうしたかい、何故なぜ薬取りに来ない?」と怒鳴どなる。じいさんが出て来て挨拶する。婆さんは留守だった。十一二の男児むすこが出て来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
車夫は市川の者、両親は果て、郷里の家は兄がもち、自身は今十二社じゅうにそうに住んで、十三の男児むすこを頭に子供が四人、六畳と二畳を三円五十銭で借り、かみさんはあさつなぎの内職をして居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
鉄線はりがねくぐって放牧場を出て、谷に下りた。関牧場はこれから北へ寄るので、此れからニオトマムまでは牧場外を通るのである。善良な顔をした四十余の男と、十四五の男児むすこと各裸馬はだかうまに乗って来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)