甜菜てんさい)” の例文
ファラデーが助手になってから、どんな実験の手伝いをしたかというに、まず甜菜てんさいから砂糖をとる実験をやったが、これは中々楽な仕事ではなかった。
そして是非濃厚な甘味がほしければ南瓜かぼちゃ甜菜てんさいから良い糖蜜がつくれることを実験して発見した。
二、三の川を飛び越さなければならなかった。次には、甜菜てんさいの畑と耕耘こううん地との広々とした中に出た。とうていそれから出られないような気がした。平野はでこぼこしていた。
すると——甜菜てんさい畑の向うのところを、一人の婦人がさんばら髪になって眼を吊上つりあげ、まるで見えぬ手で引摺られるように、よろよろと殺生谷の方へよろめいて行くのが見えた。
殺生谷の鬼火 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
この鶏舎といってもいいくらいの小さな庭は板塀で区切ってあって、板塀の向うには、甘藍キャベツや、葱や、馬鈴薯や、甜菜てんさいや、その他いろんな自家用の野菜のつくってある広々とした菜園がつづいていた。
こまやかなもやが遠くに漂っている。ぬれた地面をおおっている白い霧が、夜の来るを待って立ち上ろうとしている……。一匹の猟犬が、地面に鼻をすれすれにして、甜菜てんさいの畑の中を駆け回っていた。