珠貨ウドウド)” の例文
パラオ人は珠貨ウドウドと饗宴との交換によって結婚式を済ませてから数年の中に又改めて「夫婦固めの式ムル」をすることがある。
南島譚:02 夫婦 (新字新仮名) / 中島敦(著)
一月の後、ギラ・コシサンは莫大な珠貨ウドウドを職人達に支払い、新しい見事な舞踊台を小舟に積んでガクラオに帰った。
南島譚:02 夫婦 (新字新仮名) / 中島敦(著)
彼の家には、昔その祖先の一人がカヤンガル島を討った時敵の大将を唯の一突きに仕留めたというほまれの投槍が蔵されている。彼の所有する珠貨ウドウドは、玳瑁たいまいが浜辺で一度に産みつける卵の数ほど多い。
南島譚:01 幸福 (新字新仮名) / 中島敦(著)
今此の上に尚舞踊台迄も作るということは並々ならぬ経済上の無理を伴うものだったが、妻の機嫌を取結ぶためには何とも仕方が無かった。彼はなけなしの珠貨ウドウドを残らず携えてカヤンガル島に渡った。
南島譚:02 夫婦 (新字新仮名) / 中島敦(著)