王允おういん)” の例文
李粛は、走って、董卓の首を打落し、剣尖に刺して高くかかげ、呂布はかねて王允おういんから渡されていた詔書をひらいて、高台に立ち
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鮑信はまた、同じような憂えを、司徒の王允おういんにもらした。けれど司法官たる王允でも、董卓のような大物となるとどうしようもなかった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど、王允おういんと、貂蝉ちょうせんとは、その愛情においては、主従というよりも、養父と養女というよりも、なお、濃いものであった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
司徒王允おういんなどは、真っ先にこそこそ帰った。董卓はなお、丁原の反対に根をもって、轅門えんもんに待ちうけて、彼を斬って捨てんと、剣を按じていた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹裏館の秘密会で、王允おういんもいったとおり、彼の家柄は、元来名門であって、高祖覇業を立てて以来の——漢の丞相じょうしょう曹参そうさん末孫ばっそんだといわれている。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
王允おういんのことばを信じて、呂布りょふはその夜、素直に邸に帰ったもののなんとなく寝ぐるしくて、一晩中、熟睡できなかった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は今も、よくそこの閨園けいえんでは呼んでいる。だが、その後、彼にかしずいている貂蝉は、かの王允おういんの養女であった薄命な貂蝉とは、名こそ同じだが、別人であった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)