狩場かりば)” の例文
「すると、お狩場かりばの四郎が忍び込んで、兼松の着物を着てお美代を殺し、その着物を井戸端のたらひに漬けて行つたことになるが——」
「王様、わたくしは、主人カラバ侯爵こうしゃくからのいいつけで、きょう狩場かりばで取りましたえものの兎を一ぴき、王様へけん上にあがりました。」
こんな場合にも恋人同志は手を取り合わなければならないものと見え小次郎と浮藻とが手を取り合い、戦いは味方が勝っているので狩場かりばで獣でも追うかのように勢い込んで追い駈けて来た。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それからふた月三月のあいだというもの、しじゅうカラバ侯爵こうしゃくのお使だと名のっては、いろいろと狩場かりばのえものを、王様へけんじょうしました。
この平次に屆けたのは、三年前、父親のお狩場かりばの四郎を縛つた、この平次にも思ひ知らせるためだつたに違ひない。——その通りだらうな。お照さん
母親の形見だと言つて誤魔化ごまかしたが、あの娘は決して唯の娘ぢやない。——俺はお狩場かりばの四郎の娘と睨んだが、こいつは萬に一つも間違ひはないだらう。
たびたび狩場かりばから、いろいろと、けっこうなえものを持ってきてくれた猫なので、王様はおそばの家来けらいに、はやく行って、カラバ侯爵こうしゃくをお助け申せ、といいつけました。
「当り前だ、手紙を書いたのはお狩場かりばの四郎という、日本一と言われた大泥棒だ」