爪先つまきき)” の例文
ジョルジュは彼のそういう放心に気づかなかった。彼は足音をぬすんで爪先つまきき立ってもどってくる者のように、自分の脱走を面白がっていた。
ジャヴェルは橋の欄干に両肱りょうひじをもたせ、あごを両手に埋め、濃い口髭くちひげ爪先つまききで機械的にひねりながら、考え込んだ。
今では、爪先つまききで伸び上がると、両腕を壁越しに差出すことができた。そういう姿勢は楽ではなかったが、彼は長くそのままの姿で、壁にあごをのせ、じっと眺めまたいていた。