焦燥もどか)” の例文
信一郎は、もう四十分の後には、愛妻の許に行けるかと思ふと、汽車中で感じた焦燥もどかしさや、いらだたしさは、後なく晴れてしまつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
途中の焦燥もどかしさは、まるで際涯はてしもない旅をしている気持であった。畑や村が車窓まどをかすめて後へ後へと消え、沿道の電線は、鞦韆ぶらんこからでも眺めるように、目まぐるしく高まったりちこんだりした。
情状酌量 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
信一郎は、もう四十分の後には、愛妻のもとに行けるかと思うと、汽車中で感じた焦燥もどかしさや、いらだたしさは、後なく晴れてしまった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
汽車が大船を離れた頃から、信一郎の心は、段々はげしくなって行く焦燥もどかしさで、満たされていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
汽車が大船を離れた頃から、信一郎の心は、段々烈しくなつて行く焦燥もどかしさで、満たされてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)