火燈口かとうぐち)” の例文
ゾクゾクと寒気さむけが立ち、書院の火燈口かとうぐちの方を見やると、そこに微かな人のしわぶきの声がします。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と、そこの、火燈口かとうぐち小襖こぶすまを、外からかろく叩く者があった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
火燈口かとうぐちの下に座を構えた盲法師めくらほうしの弁信は、物を言いはじめました。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
火燈口かとうぐち小襖こぶすまに手をかけながら、仲居は、膝を折って云った。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
音もなく、火燈口かとうぐちのふすまが開く。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)