漂泊さすらひ)” の例文
我わが歌をもてウリッセをその漂泊さすらひの路より引けり、およそ我と親しみて後去る者少なし、心にたらはぬところなければ。 二二—二四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
セザレウ※ッチ兄妹もやつぱり、漂泊さすらひの旅の寂しさを、背負つてゐる人だつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
他の漂泊さすらひ歌人や、涙痕の行脚者を想ふほどな傷みがない。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
去年から今年にかけて、故国の動乱を避けて、漂泊さすらひの旅に出た露西亜ロシアの音楽家達が、幾人も幾人も東京の楽壇を賑はした。其中には、ピヤノやセロやヴァイオリンの世界的名手さへ交つてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)