滑稽感こっけいかん)” の例文
発作ほっさのようにげてくる滑稽感こっけいかんに遠慮なく自己を託した彼女は、電車のうちから持ち越して帰って来た、気がかりな宿題を、しばらく忘れていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ロマンスには、滑稽感こっけいかんは禁物である。杉野さんも、あの時ちょっと泣いて、「しまった!」と思い、それから何もかもあきらめて九十九里へ出発したのに違いない。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)