“渡頭(わたし)” の例文
二人はしかたなしに仕事を止(や)めて帰って来たが、渡頭(わたし)へ来てみると、渡船(わたし)はもう止まって、船は向う岸へつないであった。
雪女 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
少年あり、藁(わら)を積み重ねし間より頭を出して四人の者が余念なく仕事するを余念なくながめいたり。渡頭(わたし)を渡りて広き野に出(い)ず。野は麦まきに忙しく女子みな男子と共に働きいたり。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
程もなく二人は其渡頭(わたし)にと辿(たど)り着いた。此辺は誠に寂しい処で有った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)