淡紅うすくれない)” の例文
雪のように白き顔少しはじらいて。ほおのあたり淡紅うすくれないをおびたる。髪は束髪にたばねて。つまはずれの尋常なる衣服こそでは。すこしじみ過ぎし七ツ下りの縞縮緬しまちりめん
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
香取の気高き顔は松明の下で、淡紅うすくれないの朝顔のようにあからんで俯向うつむいた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
ホイ、お前の前で言うのではなかった。と善平は笑い出せば、あら、そういうわけで言ったのではありませぬ。ただこうだと言って見たばかりですよ。と顔は早くも淡紅うすくれないを散らして、いやな父様だよ。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)