浦戸うらど)” の例文
馬をとばして浦戸うらどの城へかけつけた使者によって、右大将信長が、京都本能寺ほんのうじ明智光秀あけちみつひでのためにほろぼされたことが、元親につたえられた。
だんまり伝九 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
吸殻を落すと船腹に引付ひっついて落ちてすぐ見えなくなる。浦戸うらどの燈台が小さく見える。西を見ると神島が夕日を背にして真黒に浮上がって見える。
高知がえり (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
十四日に、九人のものは下横目一人宰領二人を附けられて、木津川口から舟に乗り込み、十五日に、千本松を出帆し、十六日の夜なかに浦戸うらどの港に着いた。
堺事件 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ここは土佐とさの国浦戸うらどの城中。大館の広庭では、領主長曾我部元親ちょうそかべもとちかをはじめ家臣のならぶ前で、いましも二人の武士が試合を始めようとしているところであった。
だんまり伝九 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)