浅草代地あさくさだいち)” の例文
余もまた久しく浅草代地あさくさだいちなる竹翁の家また神田美土代町かんだみとしろちょうなる福城可童ふくしろかどうのもとに通ひたる事あり度々『鹿しか遠音とおね』『月の曲』なぞ吹合せしよりいつとなく懇意になりしなり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
まさに退いて世の交りを断たん事を欲し妓家ぎか櫛比しっぴする浅草代地あさくさだいち横町よこちょうにかくれ住む。たまたま両国大相撲春場所の初日に当りてあたり何となく色めき立てる正午ひる近くなり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)