洋杖すてっき)” の例文
市郎は洋杖すてっき把直とりなおして、物音のするかたへ飛び込んで見ると、もう遅かった。わずか一足ひとあし違いで、トムは既に樹根きのねに倒れていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
うちにいて心配するよりも、迎いながら町尽頭はずれまで出て見ようと決心して、市郎は洋杖すてっきを振りながら門を出ると、あたかも七兵衛の駈けて戻るのに逢った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)