どうして油断もすきもなりはしない。波の中に舟を操っているようなものである。波瀾重畳はらんちょうじょうがこの商買の常である。そこへ素人しろうとが割込んだとて何が出来よう。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
波瀾重畳はらんちょうじょうの御生涯と承わって居りますから、余程浩瀚こうかんなものになりましょうな?」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
小説とはわかきに説くといって、論語や孝経なんというむずかしい理屈を、老幼児女にわかりよく解いて知らせるものですぜ、波瀾重畳はらんちょうじょう、恋あり、闘争あり悪人善人相剋して筋をなす
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)