汪溢おういつ)” の例文
眼を開くと、われながら驚いたくらい、自分の身内に突然ある異常な精力の汪溢おういつするのを感じて、いちはやくね起きて着換えを済ました。
人は遠く現代から吉野時代を望見して、大観的に吉野方を悲惨と規定する故に、吉野朝廷の歌に異常な生活の変質と生気の汪溢おういつを感じたくなるのである。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
これらの遊戯や儀式が栄えた時代は、元気と活力が汪溢おういつしていて、ひとびとの人生のたのしみ方は粗野だったが、心のそこから元気いっぱいにやったのだ。
自分は、この戦争は大丈夫、日本が勝つと思う。このように国内が活気汪溢おういつしていて、負ける筈はない。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)