江東橋かうとうばし)” の例文
しかし僕は不相変あひかはらずほこり臭い空気の中に、——僕等をのせた円タクは僕のそんなことを考へてゐるうちに江東橋かうとうばしを渡つて走つて行つた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
江東橋かうとうばし界隈かいわいの人々の第三中学校へ避難したのもやはりこの大水のあつた時である。僕は江東橋を越えるのにも一面にみなぎつた泥水の中を泳いでかなければならなかつた。……
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
江東橋かうとうばしを渡つた向うもやはりバラツクばかりである。僕は円タクの窓越しに赤錆あかさびをふいた亜鉛トタン屋根だのペンキ塗りの板目はめだのを見ながら、確か明治四十三年にあつた大水おほみづのことを思ひ出した。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)