水浴着マイヨオ)” の例文
腰の廻りに荒目昆布のごときびらびらのついた真紅しんく水浴着マイヨオを一着におよび、クローム製のたが太やかなるを七八個も右の手頸てくびにはめ込んだのは
気息掩々えんえんたる三着の水浴着マイヨオが、オピタル・ド・ラ・ペエに運び込まれ、一様に39度の一夜を明かしたその翌朝、一行は種々なる人士の光栄ある訪問を受けた。
細い毛脛けずねを風になびかせ、だんだら模様の古風な水浴着マイヨオを一着におよんだコン吉は、蜘蛛くもの子のような小さい紅蟹べにがにが這い廻る岩の上へ、腰を掛けたり立ち上ったり
タヌの水浴着マイヨオを持たされたコン吉が、漠然たるまなこをしばたたきながら、入江伝いに来て見れば、鰯のはらわたの匂いを含んだ、やや栄養の良すぎる朝風が糸杉の枝を鳴らし
黙って水浴着マイヨオの裾を引っぱっていた芳衛さんが、すこし皮肉な調子でいった。
キャラコさん:07 海の刷画 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
思い切った背抜バックレスや、大胆な純白の水浴着マイヨオ。お洒落な寛長衣ベエニヨアール小粋こいき胸当ブラストロン
キャラコさん:07 海の刷画 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
さればコン吉とタヌは、水浴着マイヨオの胸に薔薇とミモザの花束をいだき、この世にある限りの「笑い顔」をして見せたが、写真班は、どれもこれも一向笑っているようには見えない、というのである。