“殿川”の読み方と例文
読み方割合
トノカハ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
殿川トノカハ屋敷と言ふのは、壱州での豪家のあつた処である。或代の主、外出の途中に逢うた美しい女を連れ戻つて、女房とした。子までも生んだが、ある時、屋敷内のカハへ飛びこんで、海へ還つて了うた。
河童の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
下女は又、河童が人間の女にばけて、お館の殿と契りを結んで、子を生んだ後、見露されてカハに飛び入り、海へ帰つた水界の信太妻シノダツマの話を伝へる、殿川トノカハ屋敷の古いカハの、今も麦谷にあることを告げた。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)