そして、磯を、武芝ノ浦とよび、牟邪志乃国造以来の豪族——武蔵大掾むさしのだいじょう武芝は、見晴らしのよい山の上に、宏壮な居館をかまえていた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)