“此土(このど)” の例文
おれも天津日子(あまつひこ)の遠い御末(みすえ)のひとりなのだ。たれが此土(このど)の地獄を祷(いの)るか。同じ御民(みたみ)の苦しみを計るか。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(中略)怨(うら)めしと思ふかたきをかみころし、一念散ずるときは泉下(めいど)へもゆくべきに、いまだ此土(このど)にとどまることのふしんさよと心をつけて見るに、さして常にかはることもなし。
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
清盛は清盛の生命(いのち)と性格を生みづけられて、今の時代に此土(このど)へ生れて来たのだから、このままに生き通し死に果たす事こそ天の使命を完(まっと)うするというものである。孔子が不届きだというなら云え。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)