樗牛ちよぎう)” の例文
僕等は勿論樗牛ちよぎうの言つたやうに「現代を超越」など出来るものではない。しかも僕等を支配する時代は存外短いものである。
正岡子規とか国木田独歩とかを一つのかた看做みなせば、高山樗牛ちよぎうとか綱島梁川つなしまりやうせんとかは又一つの型のやうに思はれる。
結核症 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
その頃師の坪内逍遙氏などと一緒に、高山樗牛ちよぎうの美的生活論に反抗の声を揚げてゐた氏は、その高山氏に立聴たちぎきされるのを気遣ひでもするやうに、そつと声を低めて
彼等は皆樗牛ちよぎうのやうに「文は人なり」と称してゐる。が、いづれも内心では「人は文なり」と思つてゐるらしい。
侏儒の言葉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)