“楡葉”の読み方と例文
読み方割合
にれは100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが、若くして美しかった楡葉にれはは、亡夫の讐怨しゅうえんを子の討ちはらしてくれた報告を聞いてから幾年いくとせもなく、病の床について世を去った。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幸いに、二人とも、蘇生そせいした。元より母の楡葉にれはのほうが恢復かいふくは早かった。楡葉は気がつくと、寝食も忘れて、子の枕元に坐ったきりだった。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこからかなりへだてている甚助の家へまで、近頃は、夜になると、最上川の水音より明らかに、彼の狂わしいしゃ嗄れ声がひびいて行った。楡葉にれはは、共に寝なかった。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)