梅雨晴つゆば)” の例文
こうした梅雨晴つゆばれのあざやかな故郷の日光のもとに悲しく営まれる葬式のさまとがいっしょになって清三の眼の前を通った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
六月半ば、梅雨晴つゆばれの午前の光りを浴びてゐるしひの若葉のおもむきを、ありがたくしみ/″\とながめやつた。
椎の若葉 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
亡くなつた上田敏氏は子供の時静岡へく道中、てくてく歩きで箱根を越えた。丁度梅雨晴つゆばれの頃で、ある百姓家の軒続きに、心臓形の青い葉が一面にはびこつてゐる畑を見て
葬式は一番町いちばんちょうのある教会で行なわれた。梅雨晴つゆばれのから風の強い日であって、番町へんいったいの木立ちの青葉が悩ましく揺れ騒いで白い葉裏をかえしていたのを覚えている。
B教授の死 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)