桀溺けつでき)” の例文
長沮ちょうそ桀溺けつできの二人にもった。楚の接与せつよという佯狂ようきょうの男にも遇ったことがある。しかしこうして彼等の生活の中に入り一夜を共に過したことは、まだ無かった。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
長沮ちょうそ桀溺けつできの二人が、ならんで畑を耕していた。巡歴中の先師がそこを通りがかられ、子路に命じて渡場をたずねさせられた。すると長沮が子路にいった。——
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
長沮ちょうそ桀溺けつできならびて耕す。孔子之をぎり、子路をしてしんを問わしむ。長沮曰く、輿を執る者は誰と為すと。子路曰く、孔丘と為すと。曰く、是れ魯の孔丘かと。曰く、是なりと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
この間、もう一人の農夫——これは桀溺けつできというずんぐりとした男だった——は、あたりに何が起っているのか、まるで知らないかのような風をして、耕された土に、せっせと種を蒔いていた。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そこで子路は今度は桀溺けつできにたずねた。すると桀溺がいった。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)