栄西えいさい)” の例文
ある時、建仁寺けんにんじの僧たちが師栄西えいさいに向かって言った。「今の建仁寺の寺屋敷は鴨河原かものかわらに近い。いつかは水難に逢うでありましょう。」
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
栄西えいさい禅師の『喫茶養生記』にあるようなことを、芝居の老女のセリフみたいに、おちょぼ口で、訓戒してくれた。
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
宋の茶は一一九一年、南方の禅を研究するために渡っていた栄西えいさい禅師の帰国とともにわが国に伝わって来た。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
安心と決定けつじょうができないために、一時は、ちかごろ支那から帰朝した栄西えいさい禅師のところへ走ったが、そこでも、求道ぐどうの光がつかめないので、あなたこなた、漂泊ひょうはくしたあげくに、去年の秋から
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)