柘榴珠ざくろだま)” の例文
こまやかに刻んだ七子ななこ無惨むざんつぶれてしまった。鎖だけはたしかである。ぐるぐると両蓋りょうぶたふちを巻いて、黄金こがねの光を五分ごぶごとに曲折する真中に、柘榴珠ざくろだまが、へしゃげた蓋のまなこのごとく乗っている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)