林檎酒シイドル)” の例文
彼等は粥椀エキュエルで、葡萄酒や、林檎酒シイドルやを飮んでゐたが、生々した歡びが、そのこだわりのない、元氣な顏を輝かしてゐた。
エトルタの光井さんのヴィラでパァティがあったとき、林檎酒シイドルに酔っぱらってテラスからおっこちたことがあったね。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一人列を離れて、林檎酒シイドルのコツプに、唇をあてました。マドムアゼルP……は、前よりも一層快活に踊つてゐるのです。そして、わたくしの方は一度も振向かうとしない。
カルナツクの夏の夕 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
林檎酒シイドルもあればお乳もあります。
それは、林檎酒シイドルで陽氣になりだした小さな從兄妹等の樂しげな叫び聲や、どつといふ笑ひ聲であつた。
ところが、その時、不意に、ヤンの一人の弟で、ゆく/\は氷島人イスランデエとなる、氣持の好い薔薇色の顏をした、眼の輝いた男の兒が、林檎酒シイドルを飮み過ぎて、氣分が惡くなつた。