松寿丸しょうじゅまる)” の例文
また、その嫌疑けんぎのために、わが子の松寿丸しょうじゅまるへ打首の厳命が出ていたことなども——まったく夢想もしていないらしかった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういうところへ、しばらく陣地を退いていた病軍師竹中重治は初陣ういじんの少年、黒田松寿丸しょうじゅまるれて戻って来たのであった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだ。松寿丸しょうじゅまるとか申したな。竹中半兵衛の国許くにもと質子ちしとしてある——官兵衛孝高よしたかの小せがれがことよ」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
松寿丸しょうじゅまるは、半兵衛重治しげはるともなわれて、この平井山の味方へ初陣ういじんとして加わって以来、もう幾たびか戦場も駈け、生れて初めて、鉄砲槍の中も歩き、わずかな間に、見ちがえるほど、気丈きじょうとなり
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では、そこへ行って半兵衛重治に、きっと申しつけい。——かねて秀吉より重治の国許くにもとへ預けおいてある黒田官兵衛の質子ちし松寿丸しょうじゅまるを、すぐ打首にして、父官兵衛のおる伊丹城へ送ってやれ——と」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「官兵衛どの。昨日、国許くにもとの家臣から参った消息によれば、御嫡子ごちゃくし松寿丸しょうじゅまるどのには、いよいよすこやからしく、また、馴れぬ周囲の者にも、ようやくなついて、息災でおられる由、御安心なさるがよい」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)