曲尺まがりがね)” の例文
「じゃあ、この野郎を、彼方むこうへしょッ引いて行こう。こいつに水垢離みずごりとらせて、踏まれた曲尺まがりがねに手をつかせて謝らせなくっちゃならねえ」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
予の考をもてすれば鐘が淵は曲尺かねが淵にて、川の形曲尺まがりがねの如く曲折するによりて呼びたる名なりと判ず。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
だから彼が、そこであやまって大工の曲尺まがりがねを踏んづけ、大工らの怒りに会って追いまわされた時も、ふくろ叩きよりは、事の発覚がすぐ恐ろしかった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曲尺まがりがねを踏みつけやがったんです。曲尺はわっしどものたましいだ。お侍のこしものと同じでさ。そいつをこの野郎が」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)