曖昧宿あいまいやど)” の例文
その晩、彼は十時ころまで、次から次へといろんな料理屋や、曖昧宿あいまいやどを歩き回った。どこかでカーチャも捜しあてた。
「あんな奴の家へ行くくらいなら、どこか曖昧宿あいまいやどへでも行った方が、まだ言訳がたちますからね。」
こういう村でもすでに見いだすことのできる曖昧宿あいまいやどで、夜の仕事のために昼寝をしている二、三のだらしない女から、都会の文明の片鱗を見せたような無感動な眼を向けられた時だけでした。
土下座 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)