日傭取ひようと)” の例文
ほとんど日傭取ひようとり同様の臨時雇いになり、市中の電気器具店廻りをしていたが、ふと蒔田が同郷の中学の先輩で、その上世話好きの男なのにほだされ
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
いかにもいかにも、あれだけの人物を、単にただ日傭取ひようとりのお雇い壮士のようにこき卸すのは、近藤に対する侮辱のみではない、天下の豪傑に対する冒涜ぼうとくだ。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
五郎吉という日傭取ひようとりがいて、みんな躯が弱いから、そこへも寄って診てやるがいい、と付け加えた。
赤ひげ診療譚:06 鶯ばか (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そこには郵便局の小使や走り使いに人に頼まれる日傭取ひようとりなどが住んでいた。山形あたりに生まれてそこここと流れ渡ってきても故郷の言葉が失せないという元気なお婆さんもあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)