旅館やどや)” の例文
其話では、——菊池君は贅沢にも桟橋前の「丸山」と云ふ旅館やどやに泊つて居て、毎日草鞋わらぢを穿いて外交に廻つて居る。そして、何処へ行つても
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
彼は海岸も旅館やどやも見つからないと云うのは、じぶんがどうかしているためかも判らないと思った。彼は恐ろしかった。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
謙作は空腹のことから旅館やどやへ入って、旅館やどやから電話をかけるなら宜いと思いだした。彼は旅館やどやを尋ねて往った。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
『慈善を餌に利を釣る。巧くやつてるもんだよ。アノ旅館やどやの贅沢加減を見ても解るさね。』
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
車は謙作をんで走りだした。街路とおりから街路とおりを休みなしに往ったが、旅館やどやがないのかちっとも止まらなかった。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
『慈善をえさに利を釣る、巧くやつてるもんだよ。アノ旅館やどやの贅澤加減を見ても解るさ。』
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)