新鋳しんちゅう)” の例文
旧字:新鑄
いくさがあっても貧相でなく、新鋳しんちゅう小判こばんがザラザラ町にあらわれ、はでで、厳粛げんしゅくで、陽気で、活動する人気にんきは秀吉の気質きしつどおりだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
死んで三月後に新鋳しんちゅうされた文銭が、この瓶の中に紛れ込んでいるとはどうしたことでしょう。
しかしながらある日、聾で一見白痴のような一人の若者が遠方の村から、一通の電報を彼のところへ持って来た、伯爵は苦笑いをしながら彼に新鋳しんちゅうの一銭銅貨を一枚与えた。
新鋳しんちゅうの悪貨とスリ換えている経過からくりと、もう一つは、人間を畜生以下のものに規定した——生類しょうるいおんあわれみ令——と称するお犬様あつかいの二大悪政である。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)