文殊院もんじゅいん)” の例文
なんとなく里恋しく、魯智深は墨染すみぞめの衣に紺の腰帯ようたいをむすび、僧鞋くつを新たにして、ぶらと文殊院もんじゅいんから麓道ふもとのほうへ降りていった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一山の大道場は文殊院もんじゅいんといって、結構けっこう壮麗、七堂の伽藍がらん多宝塔たほうとうの美は翠色にえ、七百の出家たちの上にある碩学せきがく智真ちしん長老といって、私とは兄弟分ともいえる仲でして
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)