攫取くわくしゆ)” の例文
あたかも潜者の水底に沈みて真珠を拾ふが如く自然界の奥に闖入ちんにふし、冥想を以て他界の物を攫取くわくしゆし来るを以て詩人の尊む可きところとはするなり。
他界に対する観念 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
其の源泉は隠れて深山幽谷の中に有り、之をもとむれば更に深く地層の下にあり、の如き山、之を穿うがつ可からず、いづくんぞ国民の元気を攫取くわくしゆして之を転移することを得んや。
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)